「買い換え」「買い替え」の違いって皆様分かりますか?
なんとなく使っているけれど、ちゃんと意味が分かって使い分けている漢字って、意外と少ないものです。
他にも、「対象・対照・対称」「絶対・絶体」「保証・保障・補償」など…同じ読み方で意味が違う熟語って、たくさんありますよね。
私も文章を書いていて、「あれ?この漢字で意味が合ってたっけ?」と辞典を開くことがよくあります。
「パソコンを買い換える?買い替える?」どっちが正しいのだろう?
今回はよく使われる「買い換える」「買い替える」の違いと意味を分かりやすく紹介いたします。
この記事を参考に上手く使い分けるコツを覚えましょう。
目次
買い替えると買い換えるの違いを解説!
文章を書くにも、パソコンやスマホで変換するにも「買い替える」と「買い換える」のどっちが適切なのか迷いますよね。
ズバリ違いはコレ!
買い換える
別のものと異なる(新しい)ものを換える:AとBを交換
買い替える
同じ種類のものを購入し、元あったものと替えること:AをやめてBにかえる
なんとなく違いが分かりましたか?
では、もう少し詳しく「買い換える」と「買い替える」を見ていきたいと思います。
買い換えるとは?
【換】意味 かえる。取りかえる。入れかえる。かわる。入れかわる。
「換える」は“他のものといれかえる、交換する”という意味です。何かをわたして、それの引き換えに他のものを受け取るときに使います。
「Aの商品とBの商品をとりかえる」→「買い換える」
何かを売って違うものと交換するときや他のものと交換する場合は「換」を使いましょう。
例文
「円をドルに換える」
「ブランド品を売って、お金に換えよう」
買い替えるとは?
【替】意味 かわる。かえる。入れかわる。とりかえる。他のものにかえる。
「替える」は“別のものと交替させる”という意味です。新しい別のもの、新しい別のこと(行為)を表すときに使います。
「今持っている服を処分して新しく服を買う」→「買い替える」
また、今持っているものと同じ種類や系統のものを新しく購入しなおすときにも使われます。
「Aが古くなったから、新しいAを購入する」→「買い替える」
古いものを処分して新しいものを買う場合には、「替」を使いましょう。
例文
「今の車を処分して、新しい車に買い替えよう」
「この古い家は取り壊して、新しく家を建て替えよう」
「古いシーツは処分して、新しいシーツに替えよう」
買い換えると買い替えるの違いと類似する具体例
なんとなく「買い換え」「買い替え」の意味を理解していても、実際に文章にするとやはり迷ってしまう…という方も多いでしょう。
確かに、「○○換え」「○○替え」と、○○に入る言葉ってたくさんあってややこしいですよね。入れかえ、取りかえ…など。
ここでは「○○換え」「○○替え」の使い分けの例文を、日常生活でありそうなセリフを使って紹介いたします。
具体的な使い分けとして参考にしてみてくださいね!
「入れ替え」と「入れ換え」
【替え】
- 「ちょっとー!!トイレットペーパーがなくなったら、新しいのを入れ替えてねって、いつも言ってるじゃん!!」
- 「お母さんが、お茶のティーパックを最低5回は使いなさいって言うんだけど、実際は何回目で入れ替えるのが正解なの?」
【換え】
- 「ゲッ!今日は野菜炒めだ!パパのお肉とぼくのピーマンを、こっそり入れ換えておこーと。」
- 「パパのビールをこっそりノンアルコールビールと入れ換えてみたけど、最後までバレなかったよ。」
「乗り替え」と「乗り換え」
【替え】
- 「え!彼、また車買ったの?車をコロコロ乗り替える男って、浮気性だってよく聞くよ~」
- 「昨日までジャニーズの○○くん推しだったけど、今日からはユーチューバーの○○くんに乗り替えま~す!」
【換え】
- 「残業ばかりで疲れたな…電車の乗り換えが面倒くさいから、今日は特急を使っちゃおう。」
- 「午後からは別のトラックに乗り換えて、県外の工場まで配送に行く予定です。」
「取り替え」と「取り換え」
【替え】
- 「パパ~!今、揚げ物して手が離せないから、代わりに息子ちゃんのオムツ取り替えてくれない?」
- 「この靴下穴が空いてるよ~。新しいのに取り替えてくれないか?」
【換え】
- 「その遊戯王カードいいな~!俺との勝負に勝ったら、このカードとお前のカードを取り換えようぜ!」
- 「調子に乗ってFカップのブラを買っちゃった!…あとで、店に戻って取り換えてもらおう…」
「差し替え」と「差し換え」
【替え】
- 「姉の音楽アプリの再生リストを、すべてキン肉マンのテーマソングに差し替えておいた。めっちゃ怒られた。」
- 「タンスの奥から、旦那が隠していたやらしいDVDをたくさん発見。中のディスクだけ全て賛美歌CDに差し替えておきました」
【換え】
- 「ミニ四駆の一部のパーツだけ差し換えてほしいと言ったのに、余分なパーツまで換えられた。もう、パパには頼まないよ!!」
- 「母が待ち受け画面にしている韓国俳優の写真を、じいちゃんの写真に差し換えておいた。あれから3日経つが、何故かバレない。」
いかがでしょうか?
「替える」「換える」の使い分けを日常のシチュエーションで見てみると、より分かりやすいのではないでしょうか?
自分の生活に置き換えて、実際に例文を作ってみるのもオススメです。
建築用語で「やり替える」という言葉がありますが、基本的に建築系では「替える」のみを使い、「換える」は使いません。
やり替えの類語には、改修・改装・リフォームがあり、意味はものの構成や構造を改めることです。
例文だと、
「外壁、瓦、サッシのやり替え工事は当社におまかせ!」
「古い家の外観と内装をやり替えしたら、新築のように生まれ変わった」などと使います。
建築系の文章を書くときは覚えておくと便利です。
まとめ
今回は「買い替え」「買い換え」の意味の違いと使い分けについて解説いたしました。
- 「替える」は同種・同との新しく別のものにかえる。
- 「換える」は他のものととりかえる、交換する。
このように覚えていれば、何か文章を書くときに「どっちだっけ?」と悩むことはなくなります!
同じ読み方と使い方なのに、この微妙な意味の違いこそが、まさに日本語の難しさなのでしょう。
どうしても使い分けに悩む場合は、一般的である「替える」の方を使えば間違いありませんので、ぜひ参考にしてみてくださいね!