お肉を使った煮込み料理を作る際に、欠かせないのがアク取りですよね。
肉のアクって見た目も悪いし、体に悪いのでは…?と、なんとなく取っている方も多いでしょう。
しかし、世間では「うま味まで取ってしまうからアクは取らなくてもいい」「臭みや風味が失われるから取るべきだ」などと様々な意見が飛び交っており、何が正しいのか正直分からないものです。
今回はそんな肉のアクについて、本当に体に悪いのか?アクを取る理由は何なのか?正しいアクの取り方まで、詳しく紹介いたします。
また、野菜のアクについてはコチラの野菜のアクは体に悪いって本当?取らないとどんな悪影響がある?を参考にしてみて下さい。
目次
肉のアクは体に悪い?成分は何?
「アク」とは食品に含まれている「苦味」「えぐ味」「しぶ味」などの総称です。
多くの場合、基本的にアクは取り除いた方が良いとされていますが、中にはうま味成分や、体に良い成分のアクもあるので一概に全部取ってしまえばいいわけではありません。
ということは、肉のアクも体に悪いということではなさそうですね。
ということで、
- 肉のアクを取る理由
- アクを取り過ぎはもったいないのか
についてお伝えしたいと思います。
アクを取る理由
肉から出るアクの正体は「タンパク質」「脂質」「ミネラル」「血液」などです。これらが熱を加えることによって肉から溶け出し、固まって泡状に凝集されるのです。
肉から出るアクには体に悪い成分は含まれておりませんので、口に入れても問題はありません。
しかし、クセのある味や臭みで決して美味しくはありませんし、料理の見た目も悪くなってしまいますので、なるべくアクは取り除きたいものです。
アクの取り過ぎはNG?
ラーメン屋さんで「アクもうま味の一部だからうちは取らない」というお店がたまにあります。
それにはちゃんと理由があります。
「うま味」とはアミノ酸とミネラルが結合した物質の総称なのですが、アミノ酸は水に溶けやすい性質を持っており、アクとなるタンパク質にはミネラルが含まれております。
うま味とは…
アミノ酸とミネラルが結合した物質の総称
- アミノ酸は水に溶けやすい
- アクとなるタンパク質はミネラル豊富
つまり、アクを取り過ぎてしまうと肉本来のうま味や風味まで取り除いてしまうことになるのです。
では実際に、家庭でうま味や風味を逃がさずに上手にアクを取る方法はあるのでしょうか?
次は、アクの上手な取り方を紹介いたします。
肉のアクの正しい取り方は?
アクが出るたびに、ちょこちょこ取り除く作業を繰り返している方も多いと思いますが、実はそれはNGなのです。
まずは、お玉などですくう正しいアクの取り方について説明いたします。
お玉や網ですくう
1)煮汁の温度が上がってくると、肉のアクとなる成分が固まり、茶色っぽい泡状になって浮き出てきます。
2)火を一気に強くし沸騰させて、泡を中心に集めます。
3)集まった泡を、数回に分けずになるべく一度で取り除きます。
余計な煮汁まで取らないように、できる限り回数は減らしアクのみを取り除くようにしましょう。
便利グッズを使う
アク取りのためにフェルト状のクッキングペーパーを愛用されている方は多いのではないでしょうか?
繊維の隙間でアクの成分を絡み取ってくれますし、落とし蓋にもなって便利!
そしてなにより、そのままポイっと捨ててしまえるので楽ちん♪
しかし、クッキングペーパーは余分な水分まで吸収してしまい、煮汁に溶け出したうま味成分や栄養素まで取り除いてしまうのです。
食材の形にフィットするため味は染みこみやすくなりますが、肝心のうま味や栄養素が食材に行き渡らないのはやはりデメリット。
そう思いますよね?
実は、アク取りに超便利なオススメアイテムがあるんですよ!
それが…【シリコンあく取り落とし蓋】です。
落とし蓋でもありながら、両面の突起物がアクを取り除いてくれます。
シリコン製なので余分な煮汁を吸収すること無く、うま味成分や栄養素を残したままアク取りが可能!
しかもこれ一つで、落とし蓋、アク取り、スチーム料理の3つができちゃう優れものなんです。
もちろん、洗って繰り返し使えるのも嬉しいポイントですね♪
とてもオススメのアイテムなので、気になった方は試してみてくださいね!
このように、上手なアク取りは余分な煮汁まで取らないこと!これが大切なのです。
今まで「アクと煮汁を一緒に取り除いて、水分が無くなったらそのつど水を足していたわ~(*_*)」という方もいらっしゃるでしょう。
私も料理を覚え立ての頃に、知らずによくやっていたので大反省ですね…(^^;)
もしかしたら、アク取りの失敗は誰もが通る道なのかもしれません。
肉のアクは体に悪いの?成分はいったい何?のまとめ
今回は「肉から出るアクの成分」「アクの上手な取り方」について紹介いたしました。
肉のアクの成分はタンパク質やミネラル、血液が溶け出したもので、決して体に悪いわけでは無いことが分かりました。
むしろ、うま味成分や風味や栄養素が含まれているので、取り過ぎも良くないのですね。
アク取りは毎日のお料理に欠かせないものなので、ぜひアクの取り方は覚えておきたいものです。面倒な時は便利グッズを活用してみるのもアリでしょう。
上手にアクを取って、栄養たっぷりの美味しい料理を作りましょう♪
野菜のアクについてはコチラの野菜のアクは体に悪いって本当?取らないとどんな悪影響がある?を参考にしてみて下さい。